この話、本人も最後に言った通り、パティのわがままといえばそれまで。確かにこの話のパティはわがままに見える。
しかし彼女が漏らした「そうよね。私よそ者なんだ」に今回の話のエッセンスが詰まっている。
パティの交友関係は極めて良好。メイプルタウン時代よりも良いように見える。
しかし前話の悪夢で、彼女一人だけがメリーゴーランドに乗っているところからわかるように、心の奥底で彼女がパームタウンで生まれ育ったわけではないと言う負い目があったように思う。
もちろん、ローリィやジョーイたちはパティに良くしているし、別によそよそしくしていないが、パティが来る以前のパームタウンのことをパティが知らず、そういう話題になった時に話の輪についていけていないという負い目があったと思われる。
それが心の奥底に眠っていて、今回のような自分が作ったケーキを誰も食べてくれないというイベントで表面に出てきてしまい、ああ言う事件を起こしてしまったのだろう。
もっともパティは、メイプルタウンで生まれ育ったわけでもない。
ただこの頃にこう言う事件が起きなかったのは、ひとえに実の両親や姉などの家族の存在が大きかったのだろう。
パティは8〜9歳だが、まだ独り立ちするには年齢的に早すぎた。両親の存在がまだまだ必要なんだろう。
それをジェーン先生も感じているから、パティを救助する時「(飛び乗ってらっしゃい。)さあ、ママだと思って、私を」と言ったのだろう。
今回のことで、その心の中の負い目が癒えたかはわからない。
これがどうも、パティが家族ともどもノースタウンに引っ越して行くための伏線になっている気がする。
それにしても、今回ヨータがモーターボートを操縦できるという特技を見せたのだが、どこで覚えたんだろう?