ネグレクトの話。
ダイアナが大好きな両親の絵をかいて両親に見せに行ったのに、父ハンスは仕事にかまけて、そして母キリーネはバザーの準備で頭がいっぱい。
そんな、子供を顧みない両親に耐えかね、ダイアナは問題行動を起こす。
しかしそれは、両親の愛情に飢えた上での行動なのだ。
このダイアナの存在が「メイプルタウン物語」を名作にしている。
これは30年経った現代、ネグレクトは社会問題の一つになっているが、まだこの言葉が知られていなかった頃に、これを取り上げるのはさすがだと思う。
もちろん両親は、それなりに子供に愛情を注いでいるのだが、なんでもお金や物質で解決しようとしたところに問題があるのだ。
これは、ダイアナの両親が、ダイアナ弟のカールが大事なことを伝えようとしているのに、繰り返し金品を与えてなだめて、大事なことを結果的に伝えさせなかったシーンが象徴的である。
ハンスはこの時、おおかみ森の開発を行おうとしているのだが、先住民のグレテルのことを考えていないことを見ても、やはりお金のことしか考えていなかったのだ。
最後は、両親が自分の過ちに気づいたのは、救いがあって良かったところ。
後のパームタウン編に登場する、同じキツネキャラで性格も似ている、ジジ・ジョジョとその母親にそういうところがなかったのは残念なところである。
それにしても、おおかみ森を開発してリゾート地にするにしても、パームタウンのように普段から車を使うところでもないし、列車の輸送力も貧弱なメイプルタウンでは、閑古鳥が鳴く始末になってハンスさんが大損するんじゃないかと思うんだけど、これがメイプルタウン物語が作られたバブルの空気なんでしょうね。
あとパティが、居場所を知らせるために川にハンカチを流すシーンで、ハンカチに「がんばってね」というシーンは、かわいいですね。